人が集まるところに付きものなのが、
何かしらの「決め事」です。

挨拶はこうしよう、とか、
不在時の連絡はこうしよう、とか、
いろいろあります。

そして、「決め事」をつくると、共通して、必ず
起きることがあります。

テーマも、決めた内容も関係ありません。

それは何かというと、、、

OKかNGかの判定問題です。

「決め事」を決めた瞬間、というか、
決める前から、この問題が持ち上がります。

たとえば、仮にですが、
「遅刻は3回まで」
と決めたとします。

すると、遅刻の定義、電車の遅延などやむを得ない場合は
どうするのか、1回遅刻したら、いつまでそれが残るのか、等々、
テクニカルな話がいくらでも出てきます。

テクニカルな話なので、どんどん枝葉末節に広がり、、、
「あれ、何の話だっけ?」
ということになりがちです。

私はこれを「線引き論争」と呼んでいますが、
気をつけないと、これから引こうとする線の周辺、
すなわち、境界線付近で、どこまでOKか、どこからNGか、
という議論ばかりに終始してしまいます。

ゴルフで言えば、打った球がコースから外れて、
OBなのか、セーフなのか、みたいなことです。
そうなってしまったら、死活問題ですからね。

しかし、そういうところの議論に熱中する前に、
何で、そういう「決め事」をつくる必要があるのか、
それをつくると、どんないいことがあるのか、
それがないために、どんな問題が起きているのか、
「目的」を明確化する必要があるのです。

ゴルフコースには、フェアウェイというのがあります。
芝が刈られて、ボールは転がりやすく、打ちやすい。
だからみんな、フェアウェイど真ん中にいくように
打ちたいわけですよね。

しかし、フェアウェイど真ん中を目がけているけど、
外れてしまうときに、どこまでなら認められるか、
という限度を定義するのが「線引き」です。

OBとは、Out of Boundsの略で、
直訳すれば境界線の外、競技区域の外、
という意味です。

なので、ペナルティが科された上で打ち直し。

遅刻の話で言えば、
「常に業務開始時点で、万全の状態で準備ができていること」
が、フェアウィエど真ん中。

しかし、急な腹痛とか、子どもの発熱とか、
やむを得ない事由もあるので、それを認めないのも
どうか、ということで、「3回まで」なら、例外を認めよう、
「3回まで」なら、フェアウェイど真ん中を目がけて
努力していると認めよう、というのが本来の趣旨のはずです。

寝坊して1分前にギリギリ駆け込みとか、
余裕で出社しても、二日酔いでぐったりとか、
フェアウェイを外れて、ラフに入ったり、バンカーに落ちても、
OBではありませんが、後がツライですね。

この、フェアウェイど真ん中についての
了解と合意があってこその「決め事」であり、
それは、フェアウェイをキープするために必要なのです。

説明の順番を間違って、
「これから、こういう線を引きます」
から話を始めると、ほぼ確実に、
「線引き論争」になります。

で、いや、実は、こうこうこういう理由で必要だと考えたんだよ、
と後から言うと、
「だったら最初からそう言えよ」とか、
「とってつけたような屁理屈つけるなよ」
と不本意ながら、非難されてしまいます。

「先に言うと説明、あとで言うと言い訳」
(和仁達也先生の名言)

フェアウェイの定義が先、OBの線引きは後。

鉄則です。

ひとり社長の経営力アップ通信


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