10年ほど前、大学で非常勤講師をしておりました。
100人くらいのマス講義です。
期末になると、レポートか試験で評価をしなければなりません。

優・良・可・不可
A・B・C・D

とか、ですね。

不可とかD評価だと、単位をあげられません。

学生も、場合によっては卒業がかかっています。
しかし、だからと言って、評価できないレポートを
点数だけいじって単位をあげるわけにもいきません。
他の学生との公平性が損なわれますので。

したがって、採点は公明正大に行う必要がありますし、
そのためには採点基準をあらかじめ明確化しておく必要があります。

すると、どうなるかというと、私の場合はレポートでしたが、

1.○○○について
(1)△△△とは何か
(2)△△△の現状と問題点は何か
(3)(2)の問題を解決するための方策について述べよ
・・・

といった形の出題になります。

この通りに、項目立てて書いてくれれば、
あとは、必須キーワードが入っているか、
論旨が正しく展開されているか、などを
見るだけなんです。

・・・が、こうやって出題しているのに、
項目を無視して、書きたいように書く学生の方が多かったですね。

結果、どうなるかというと、採点不能です。

上記の例でいうと、1(3)の方策だけ、一生懸命述べています。
しかし、前提として必要となる(1)(2)の解答がないので、
採点できません。大甘にしても、部分点しかつけられません。

数学の文章問題で、答えだけ書いているようなものですね。

で、これは、学生だから訓練が足りないのか、と思っていたら、
そうでもないことがわかりました。

とある資格関係で、小論文の審査を何年か担当したのですが、
大企業を勤め上げたような立派な経歴の方の小論文が、
さすがに内容は立派ですが、書き方は、訓練の足りない学生と同じでした。

しかし、点数をつけたくても、つけられません。
出題の意図とは違うところで、
採点基準にほとんどかすりもしない内容だからです。

さらに、、、補助金の申請書を見ても、同じであることがわかりました。

自分のやりたいこと、それがどんなに素晴らしいか、ということだけが、
熱く語られているものが多いのです。

対象要件を満たしていなかったり、
審査基準を無視していたりするので、、、
、、、落ちるのです。

これらすべて、書いてある内容の良し悪しではなく、
別のところで点数・評価・採否が決まっているのです。

それは何かと言うと、

「お題」に答えているかどうか

です。

大学のレポート・試験も、資格試験も、
落とすためにではなく、点をあげやすいように、
出題されています。

しかし、出題(問題文)をよく読まないので、
答える内容ではなく、答え方を間違えているのです。

補助金の場合も、必ず公募要領に、
「お題」が書かれています。

 ただ、この公募要領、役所用語・役所文法なので、、、
読み解きづらい、という難点があります。

なので、読んだつもり、理解したつもりで、
解釈を間違えるという落とし穴があります。

これは前回、お伝えしたとおりです。

しかし、この落とし穴をよけても、書くべきことを
誤解を招かないように正確に書くことが必要です。

補助金申請者は、申請内容について熟知しています。

しかし、審査する側は何百何千もの申請者の事業内容や、
申請内容について熟知しているはずもありません。

基本的に、何も知らない、と思っていた方がよいくらいです。

その相手に、わかってもらうためには、
論理性・整合性・明晰性などの
ライティングスキルが必要です。

これは、一朝一夕では身につきません。
何をやりたいか、アイデア・構想・計画の内容は、
申請者自らが熟考する必要があります。

これが借り物では、箸にも棒にもかかりません。

熟考した内容を、最初に文章にするのも申請者です。

そのままで、名解答の申請書になれば、
自力で申請すれば手間いらずですね。

しかし、あなたの申請書、名解答のつもりが
迷解答になっているとしたら、、、

第3者のチェックと添削を受けた方がよいのでは? 

今後、セミナーの告知も行っていきますが、
公募情報が出てからの準備では間に合いません。

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