平成26年度補正予算が閣議決定され、
中小企業が活用できる補助金等の概要が明らかになりました。
2月下旬ぐらいから、補助事業の一次公募が始まる見込みです。
さらに、平成27年度当初予算案も閣議決定され、
中小企業支援メニューの見通しが立ちました。
昨年から、この補助金活用のコンサルティングを行っていますし、
今年も、ぜひ、多くのひとり社長さんはじめ、小規模企業の方に
活用してもらいたいと思っています。
ただ、安易な考えでご相談をされる方も少なからず見受けられるので、
補助金を活用するなら、これだけは絶対知っておいてほしいことを
まとめますね。
個別相談でもセミナーでも、必ず最初にお伝えし、念押ししていることです。
これを理解して納得できない方は、後々トラブルメーカーになりますので、
どんなにいい会社・事業内容であっても、私は関わりませんし、応援もできません、
と言っています。
実際、個別相談は打ち切りますし、セミナーではお帰りいただきます。
お互いのためです。
ですから、この先に書いてあることを理解し納得できないけれど、
補助金は活用したいという方は、諦めるか、自力でやるか、
他の専門家のところにご相談くださいね。
なぜなら、私は補助金申請代行屋でも、補助金獲得屋でもありません。
補助金活用においても、通常のコンサルティングと同様、
「社長がドライバー、自分がナビゲーター」
の立ち位置で、「本気、かつ、公明正大に」成果を上げたい
社長さんだけを支援したいのです。
ですから、申請書書きの代行はいたしません。
社長さん自らの言葉で書かれた申請書を、
社長さんとは違う(知らない)着眼点で
仕上げるための添削を行います。
補助金獲得であれば、交付決定通知で仕事はおしまいですが、
社長さんのやりたいことは、そこから始まるわけですね。
ですから、私の本当の仕事も、そこから始まります。
なぜ、それができるのかといえば、
自分自身が申請者としていくつもの補助金事業を実施してきた経験があるからです。
申請書はもちろん、領収書集め、精算書類作成、報告書作成など、
こまごまとした事務作業は、通常の経理とは違うやり方でやる必要があります。
極端な例では、
「町から車で2時間かけて行って、直接伝えるしか通信手段がない、という
フィジーの山奥の村に帰った人が、日本からの飛行機に乗ったことを証明する書類」
とか、要求されたことがあります。
(架空の話ではなく、海外から人を招へいした事業での実例です。)
そのためだけに自分がフィジーに行って帰って来ますか?
対処法を知らなければ、本当にそうするか、
たった1枚の書類が用意できないという理由だけで、
泣く泣く交付申請額から削らなければなりませんね。
単に領収書があればいい、というわけではないのです。
知っていることは力、なのです。
また、シンクタンク業務で、補助金申請や、各種公募案件の
申請書審査業務を担当した経験もあります。
審査する側に立つと、申請する側とは、まるで視点が違いますし、
採否の判断は、申請側が見落としているところで、決まったりします。
ただ、見落としているだけで、書いてあるんです、公募要領には。
でも、見落としていないよ、ちゃんと読んでいるよ、という方でも、、、
役所文法なので、一般の方には、その意味がわからないので、
「これって、こうでしょ?」と自分流解釈をしてしまいます。
それが、最初の落とし穴なんです。
しかし、役所からの受託業務を200本以上経験し、
役所文法を自ら使ってきた私は、「そうではなく、こうですよ」と
一般の方とは違う読み解き方ができます。
つまり私は、申請・実施側、審査・交付側、両方の経験と視点から、
社長(あなた)には見えない落とし穴を避けつつ、
補助金活用を成功に導く補助金活用ナビゲーター、
というわけなんです。
さて、前置きが長くなりましたね。
ここから本題ですよ。
全部は伝えきれないので、もっとも重要な3点だけ、
「よくある誤解」としてお伝えしますね。
よくある誤解その①:補助金はタダでもらえて、返さなくてよい
これは完全に間違いです。
補助金の原資は何でしょうか?
税金か、国債です。
税金は、現在の国民が納税したお金です。
国債は、未来の国民からの借金です。
つまり、国民のお金です。
それを、タダでもらえるわけがありません。
会計監査院が毎年、税金の無駄遣いの調査結果を発表していますね。
そのニュースを見て、「税金の無駄遣いしやがって」と思っていませんか?
補助金の交付を受ける、ということは、自分/自社が、
「税金の無駄使いしていないか」の監視の対象になる、
ということなんです。
補助金活用は、すべて、この認識・自覚にもとづいて行う
必要があります。
補助金を目的外使用、不正使用したら、
当然、返還しなければなりませんよ。
(目的外使用と不正使用の意味・違い、わかりますか?)
もっとも、それ以前に、交付が受けられません。
よくある誤解その②:採択されたらすぐに補助金をもらえる
これも間違いです。
厳密にいえば、補助金ごとに公募要領で規定されているので、
それを確認する必要がありますが、たいていの場合、
補助金をもらえるのは、やることやってから
です。
もらったお金で、何かやる、ではない
ですよ。
この話をすると、5割ぐらいの社長さんが、
「えー、なんだ、そうなの・・・」
と、がっかりされます。
仕方がありません。
過去、もらったお金で、何もしないで、雲隠れする人が
あまりに多かったから、前払いの補助金は、
今ではほとんどないのです。
なので、申請した計画に沿った事業を実施して、
実施報告とともに、収支内訳と証拠書類を提出し、
完了後に事後申請して補助金の交付を受けるのです。
ですから、補助金の交付決定通知というのは、
「あなたが、あらかじめ提示された条件を満たして申請事業を実施したら、
将来、支出したお金の一部の払い戻しを受ける権利がありますよ」
というお知らせなんです。
ということは、、、
補助金活用にあたっては、資金繰りをよく考える必要がありますね。
補助金の金額が大きければ大きいほど、
先に支払う金額も大きいのです。
たとえば、補助率1/2で、100万円の補助金が交付される場合、
100÷1/2=200万円の事業支出を先にする必要があります。
で、適正な報告が受理されたら、事後的に100万円が返ってくる、
ということですね。
1000万円の補助金なら、2000万円ですよ!
すると、、、
「先立つものがないから、補助金を使いたいんだよ」
という話なんですが、その場合には、つなぎ融資。
認定支援機関というところから、補助金交付が決定したら、
この人/会社に、つなぎ融資しますよ、という書面をもらい、
それとともに、補助金申請を行うパターンが増えています。
私に相談いただいた場合は、認定支援機関のご紹介もできます。
ところで、こういう話を聞くと、中には、
「じゃあ、払ったことにして、領収書だけそろえて申請すればいいじゃない」
とおっしゃる方がいます。
ハイ、オシマイ。
ここで、私の個別相談は打ち切りです。
セミナーだったらお引き取り願います。
だって、税金の無駄遣いを超えて、詐欺行為ですよね。
こういう方は、こうもおっしゃいます。
「書類上、手続き上、問題なければいいじゃない」
「わからないのは、見抜けない相手が悪いんだよ」
いいえ、あなたが悪いんです。完全に。
よくある誤解その③:報告書なんて無意味
これまた完全に間違いです。
考えてみてください。
自分にお金がない(足りない)ので、
「お金ください」
というお手紙を出したわけですよね。
これ、申請書のことです。
で、たくさんのお手紙の中から、幸運なことに、
あなたの手紙が選ばれ、お金をもらえることになったわけですよね。
おかげで、あなたはやりたいことができました。
そのおかげで、喜んでくれた人たちがいるかもしれません。
こういう場合、お金を出してくれた人には、
直接お礼に言いに行くのが普通ではないですか?
少なくとも、お礼状を書いて、
「おかげさまで、これこれこうして、こうなりました、
ありがとうございます。」
と伝えるのが礼儀ではありませんか?
これ、報告書のことです。
なのに、補助金交付を受ける多くの人/団体が、
報告書をちゃんとつくりません。
やっつけ仕事です。
「やることやってんだから、出しゃあ、いいんだろ、ほらよ」
といった感じ。
あなたがスポンサーであるとして、お金を出してあげる相手が、
そういう態度だったら、どう思いますか?
何だよ、と思いますよね。
やっぱり、お金出すのやめようかな、と思いませんか?
補助金の場合、そう思うのは、
事務を担当している方であり、
国民ですよ。
補助金の原資は、税金か国債ですから、
スポンサーとは、国民なんです。
なので、補助金申請の段階から、
最終的な報告書づくりまで考えて、
事業計画と、必要なら予算を確保しておく
必要があるのです。
イベントやりました、写真ありません。
会議やりました、議事録も参加者リストもありません。
講座やりました、テキストも写真もありません。
チラシつくりました、全部配ったので在庫ありません。
こういうこともけっこうあります。
これ、単に報告の不備というだけでなく、
本当にやったのか、証明できない
ということなんです。
悪意なんて1mmもなくても、悪意ある人の行動と、
区別がつかなくなってしまうんです。損ですよね。
報告に不備があったために、
万が一、あらぬ疑いをかけられたら悔しくないですか?
そしてもう1つ、ポジティブな方向のことをいうと、
詳細な実施報告は、次のチャンスを開く扉に
なるかもしれないですよ。
なぜなら、それ自体、信頼の証になるからです。
再び、お手紙の話に戻ります。
「お金をください」だけの手紙。
実は過去、これこれこうしてきて、でも、あと少しだけ
足りないんです、というレポートつきの
「お金をください」の手紙。
あなたがスポンサーで、一方しか選べない状況で、
同じような内容で、同じようなレベルの手紙が来たら、
どちらを選びたくなりますか?
まとめます。
補助金の原資が税金・国債であることをよく認識し、
「本気かつ公明正大に」事業を実施する意欲があり、
経費の処理から実施報告まで、誠実に行うこと。
これを理解し納得し、主体性をもって事業を進められる方はぜひ、
あなたの「本気」でやりたいことを聞かせてください。
私も「本気」で、それを実現する道筋を考え、支援いたします。
今後、セミナーの告知も行っていきますが、
公募情報が出てからの準備では間に合いません。
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